春から初夏にかけての身体の変化と中国医学的ケア
フーフーです。
この時期に起きてくる体の変化を教えてください。
こんにちは。
少しずつ暖かくなってきましたね。春分を過ぎ、自然界はどんどん陽気が増してきています。この時期の自然の変化は、実は私たちの身体にも大きな影響を与えているんです。
中医学では「天人合一(てんじんごういつ)」といって、人の身体は自然界の変化と連動していると考えます。ですから、春の陽気が強まってくると、体の中の気血の流れも変わってくるのです。
春分までは「陽気の芽吹き期」
春分より前、まだ少し寒さが残る頃は、冬の陰気(冷え)が少しずつ引いていき、陽気がじわじわと湧いてくる時期。このとき、体内では陽気が奥深くから動き出していて、それが頭部に昇ることで肩こりや頭重感、そして花粉症のような鼻水、くしゃみなどの症状が出やすくなります。
これはちょうど、地面の下で眠っていた草木の芽が、まだ冷たい空気の中で頑張って伸びようとしているイメージ。気が昇ってくるけれど、外の冷えがまだ残っているため、バランスを崩しやすいのです。
春分を過ぎると「気血が皮膚へ」
春分を過ぎると、陽気はさらに強くなり、気血が体表(皮膚)まで巡りやすくなります。そのために肌が敏感になり、かゆみや赤みが出やすくなる方が増えてきます。アトピーのような皮膚症状が春に悪化するのも、このためです。
これを例えるなら、内側から熱いお湯がじわじわ沸いてきて、ポットのフタが蒸気でカタカタと鳴り始めたような状態。皮膚が「今、陽気が上がってきていますよ〜!」とサインを出しているんですね。
さらに進むと「脂肪が溶けて流れ出す」
4月後半から5月にかけては、陽気がさらに強くなり、体に溜まっていた冬の脂肪がゆるみ始めます。これは中医学でいう「湿(しつ)」として体に影響します。結果として、むくみや腰の重だるさ、関節の痛みなどが出やすくなります。
「冬の間に溜め込んでいたものが春に溶け出す」というのは、ちょうど冷蔵庫から出したバターが室温でじわじわ溶けてくるようなもの。体の中でもその変化が起きているのです。
朝晩の冷えで「冷えのぼせ」に注意
この時期は昼間は暖かくても、朝晩は冷える日があります。陽気が頭の方に上がっているときに下半身が冷えると、「冷えのぼせ」になります。これは、頭に熱がこもって足元が冷える状態で、頭痛やめまい、イライラを引き起こします。
この時期の頭痛は「暑さと冷えのミックス」が原因。服装でしっかり温度調整し、冷えすぎないように気をつけましょう。
皮膚に赤み・炎症が出てきたら
5月に近づくと、皮膚に気血が集まりすぎて、赤みや発疹、ニキビといった炎症性の症状が目立ってきます。これは「陽盛(ようせい)」の状態。まさに自然の陽気がピークに向かっている証拠です。
こういうときは、春野菜や苦味のあるものを上手に使いましょう。菜の花、ふき、タラの芽などは、体の中の余分な熱を取り去ってくれる「春の使者」です。
この時期は、「体の中の季節も春に変わっていくんだなあ」と意識するだけでも、不調への対処がずいぶん楽になりますよ。自然とともに、のびのび過ごせる春になりますように。
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