癲癇(てんかん)ってなぜ起きる

癲癇(てんかん)ってなぜ起きる


フーフーです。今日のつれづれ養生訓のテーマは「癲癇(てんかん)」について教えてください。


癲癇というと、急にバタンと倒れたり、意識がもうろうとしたり、様々な発作が起こる病気として知られていますが、中医学では「単なる脳の病気」とは考えません。これは、五臓すべてのバランスの乱れが原因となる複合的な病なんです。まずはそれぞれの臓と癲癇の関係をみてみましょう。

【肺】肺が虚して「宣発作用」が落ちると、気が外に出にくくなり体内に滞ります。これが頭に昇れば、過呼吸や異常発汗、意識の揺れが起きることもあります。まるで蒸気がこもった圧力鍋のようですね。

【心】心は血脈を司り、精神の中枢でもあります。ここに外から寒邪や熱邪が入り込むと、血が乱れ、神志(精神)も混乱します。これが意識障害や興奮、不整脈的な発作につながることがあります。

【脾】暴飲暴食や胃もたれがある人、足がむくみやすい人。実はこれ、胃経が熱や湿を抱えて上逆しやすくなっている状態です。この胃経の乱れが、頭部への気の逆流を引き起こし、癲癇のきっかけになることも。

【肝】肝は風を生む臓。むくみが十二指腸や大腸に溜まりすぎると、肝の働きが過剰に。すると「内風」が生まれ、めまいや気血の乱れが発生。肝風内動の状態は癲癇の直接的な発作を招きます。

【腎】腎が虚すると、水分の停滞が生まれます。ここに熱が加わると、熱が上にこもり「内風」や「熱痰」が発生。これも癲癇を起こす重要な原因です。

つまり癲癇は、「冷え・湿・熱」といった外からの邪気と、内なる「五臓のアンバランス」が複雑に絡み合って発生するものです。

【養生のヒント】・暴飲暴食は控えて、胃腸に湿や熱をためない。
・甘い物、脂っこい物は気血を乱すので注意。
・足のむくみがある人は運動と利尿を意識(小豆茶やはと麦茶が◎)
・肝風を鎮めるには、セロリや菊花茶、しじみやアサリも良いです。
・心神安定には、酸棗仁湯や帰脾湯も一案。
・軽いストレッチや太極拳で気血を整えましょう。
癲癇は「全身の声が一度に叫ぶ」ような病です。だからこそ、身体全体の調和を見つめ直すことが、何よりの治療となるのです。

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