椎間板ヘルニア

椎間板ヘルニア

フーフーです。
今日のつれづれ養生訓のテーマは「椎間板ヘルニア」について。
あれって、重たいもの持ったり、スポーツで痛めたりしてなるものじゃないんですか?

はい、もちろん外傷や急な動作などで起こることもありますが、実は中医学の視点で見ると、それだけではありません。「気血の流れ」や「むくみ」、そして「固摂(こせつ)の力」が関係していることが多いんですよ。

中医学では、椎間板のような骨と骨の間を支える組織も、「気・血・津液・髄(ずい)」がしっかり流れ、骨に留まっていることで健康を保っています。
ところが、その気の「固摂作用」が弱くなると、本来あるべき場所に気血や髄が留まれず、じわじわと外へ押し出されてしまう――これが椎間板が飛び出す仕組みの一つと考えられます。

この「固摂作用の低下」は、単に虚弱体質の人だけではありません。
激しいスポーツや肉体労働で体力を使い果たしてしまったときも、体は一時的に虚の状態になります。その虚が回復しきらないうちに無理を重ねると、体の支えが効かず、組織の保持ができなくなり、椎間板がずれてしまうのです。

また、腰のまわりにむくみやコリが慢性的にある場合も注意が必要です。その部位に気血が滞り、行き場を失った気血が「こぶ」のように押し出されることもあります。
これも中医学でいう“実”の病理。つまり、過剰に集まりすぎたものがうまく流れず、滞留して飛び出すわけです。

さらに、背中には「背兪穴(はいゆけつ)」という臓腑の反応点があります。
この背兪穴のある部分に、その臓腑の実証――たとえば肝の熱や肺の痰、腎の水滞――があると、そこに気血が過剰に集まります。でも、それ以上は受け入れられなくなったとき、出口を求めて椎間板にまで負担がかかることもあるんです。

そしてもうひとつ。
腰にむくみがある方。これは膀胱経の流れが悪くなっている可能性があります。
膀胱経は背中を走る大事な経絡。そこが停滞していると、周囲の組織が冷えてむくみ、椎間板の柔軟性が失われ、飛び出しやすくなる――こういうパターンもあります。
つまり、椎間板ヘルニアは「腰を痛めたから起きた」だけではなく、
気の力が足りない、血が流れない、水がたまる、熱がこもる――こうした複合的な“体のゆがみ”の結果として現れるのです。

日頃から腰を冷やさない、食べ過ぎない、水をためこまない、過労を避ける――そんな日々の養生が、椎間板ヘルニアの一番の予防です。

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健康に関する疑問・お悩み一問一答!中医学で根本解決!フーフー君の養生訓第167話


 

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