寝息がうるさいのは、どこが悪いの?

寝息がうるさいのは、どこが悪いの?


フーフーです。
先生、家族の寝息がやたら大きくて、まるで隣で風が吹いてるみたいなんです。いびきっていうより、寝息が荒い。これは身体のどこかが悪いんでしょうか?


はい、それは五臓のアンバランスが引き起こしている「体の叫び」かもしれませんよ。寝息の荒さ、つまり睡眠中の呼吸の異常は、中国医学ではさまざまな臓腑の状態から読み解くことができます。

まず肺。肺は「気の主」であり、外界との接点として皮膚と呼吸をつかさどります。皮膚が湿気や冷えでむくんだりすると、肺の宣発作用、つまり皮膚を通じて気を放散する働きがうまくいかなくなります。そのため、呼吸が内にこもり、口から荒く吐き出すような寝息になるのです。

次に脾胃。食べ過ぎや糖質の多い食事で胃に熱がこもると、横になったときにその熱が上に昇ってきます。特に寝る前の遅い食事は、お腹がパンパンに膨らんで呼吸を邪魔し、大きな寝息の原因になります。

肝は「血を蔵す」臓腑。強い疲労やストレスで血が熱を持つと、その熱を寝ている間に放散しようとします。その結果、呼吸が荒くなったり、寝返りを繰り返したりと、無意識の中で体が調整しようとするのです。怒りっぽい、目が乾く、夢が多い人はこのタイプかもしれません。

腎が弱くなると、水分代謝が悪くなり、体内に余分な水分が停滞します。これが喉や気道の周辺をむくませ、気血の通り道が狭くなると、寝息は自然と大きくなります。腎の衰えは加齢と共に出やすく、利尿が悪い人は注意が必要です。

そして心。心は神(精神)を宿す臓。日中のストレスが強く、呼吸が浅くなるような生活をしていると、夜になってもその緊張が抜けず、無意識に呼吸が荒くなります。深い眠りに入れず、夢をよく見る人にもよく見られます。

寝息がうるさいからといって、単なる習慣では片付けられません。五臓の声として耳を傾け、食生活、ストレス、冷え、むくみなど、身体の内側を整えていくことが大切です。静かな寝息は、静かな心と体から生まれるもの。今夜から自分の寝息にも、ちょっと耳をすませてみてくださいね。

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