くしゃみの連発

くしゃみの連発


フーフーです。急にくしゃみが止まらなくなることがあります。風邪でも花粉でもなさそうなとき、あれはいったい何が起きているのでしょうか。


中医学では、くしゃみは肺の「宣発作用」の一種とされます。肺は、体内の気を外へと発散し、皮膚や鼻を通じて呼吸や発汗を司ります。しかし、現代人は運動不足や冷暖房の影響で汗をかきにくく、気が内にこもりやすい体質になっています。

そのようなとき、空気中の微細な刺激──例えばホコリや柔軟剤の香り、冷気など──が鼻腔に触れると、それが“アース”となって内に滞った気が一気に鼻へと集中します。このとき、鼻の奥が過敏に反応し、気が出口を求めて“くしゃみ”として放出されます。

ところがこの反応には連鎖があります。最初のくしゃみによって一部の気が放出されたとしても、その際に鼻腔内に新たな刺激が生じ、さらにくしゃみを誘発します。こうして「気が集まる→放出→刺激→再放出」というサイクルが起こり、くしゃみが何度も続くのです。

また、くしゃみと同時に出る鼻水(津液)は、体がこもった熱を冷まし、気の通り道を潤そうとする調整反応でもあります。これは一種の“自浄作用”ともいえるもので、くしゃみが終わったあとに呼吸が通り、頭がすっきりするのはそのためです。

中医学の視点では、くしゃみは単なる症状ではなく、気と津液が一時的に外へと動こうとする“排出反応”と捉えます。その背景には「気の滞り」「皮膚の冷え」「宣発の不全」といった要因があり、日頃の養生が重要となります。

とくに気をためこまず、皮膚呼吸を整える生活──例えば、軽い運動で発汗を促し、ぬるめの入浴で肺気を開くこと──が、体質そのものの改善につながります。日々のくしゃみは、体が気を通そうとしている声なのです。

このように、くしゃみは気の滞りと津液の流動が関係した一種の“排出反応”です。根本的には「気をためこまない」「皮膚の呼吸を回復させる」ことが予防と養生のカギになります。適度な運動、入浴による発汗、そして肌を冷やさない生活習慣が、くしゃみ連発の体質改善につながります。

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