「塩」について。
フーフーです。塩ってただの調味料じゃないんですね?体に効く種類とか、料理との組み合わせで効能が変わるって本当でしょうか?
はい、塩は五味でいう「鹹(かん)」に属し、体内の水分調整や気血の巡りに大きく関わります。特にその種類や性質によって、利尿・整腸・血流改善などの作用に差があり、料理や体質に合わせて使い分けることで養生効果が高まります。
◆ 岩塩(がんえん)
ヒマラヤ岩塩やアンデス岩塩に代表される、地下に眠っていた海水が結晶化した塩。鉄分やカリウムなどのミネラルが豊富で、血流の促進や冷えの改善に有効です。肉料理と相性が良く、特に赤身の肉と合わせると血の巡りを助け、筋肉への栄養供給も促進します。
たとえば、生姜焼き+岩塩仕上げは、乾姜の温め効果と岩塩の血行改善が合わさり、冷え体質にはうってつけの薬膳的コンビになります。
◆ 海水塩(かいすいえん)
海水を煮詰めて作る塩。マグネシウムやカルシウムが豊富で、腸を刺激し便通の改善や整腸作用が期待できます。魚料理と合わせれば血中の余分な脂を流し、そこに海藻(こんぶ・わかめ)を加えると、腸内の湿熱(ねばつき)を吸着し排出させる力が増します。
たとえば、焼き魚+海水塩+わかめの味噌汁は、血液浄化・整腸・水分代謝を同時に整える「一汁一菜」の理想形です。
◆ 薬味との組み合わせによる相乗効果
塩は体内の水を動かす力があります。だからこそ、塩と一緒に摂る食材の効能を「運搬」して補助」するという、薬味的な働きもします。
・紫蘇+塩 → 水分を皮膚表面に運び、発汗を助ける → 湿気による皮膚のトラブルやのぼせ対策に。
・乾姜+塩 → 塩が体内に水を引き込んでから乾姜が熱を発生 → 身体の芯を温め、冷え性や寒湿タイプの関節痛に。
・梅干+塩 → 肝に働きかけて気を整え、消化力を高める → 疲れやストレスによる胃腸トラブルに。
◆ その他の塩
・焼塩(焙煎塩):温性があり、冷え体質の人に。特に魚の塩焼きに最適。
・藻塩(もしお):海藻の成分を含む塩で、より穏やかな整腸・潤肺効果。肺や皮膚が乾燥気味な方におすすめ。
・竹塩(ちくえん):韓国の伝統的製法で、竹筒に入れて焼いた塩。体内毒素を除きやすく、養生茶にも活用される。
◆ まとめ
塩はただの味付けではなく、水の流れ・血のめぐり・気の通り道をつくる養生素材です。素材との組み合わせや摂るタイミングによって、その性質をうまく活かすことができます。
五味の「鹹」は腎に属すとされますが、腎=水の門番。つまり、塩は腎の力を借りて、全身の水・血・気のバランスを整える“司令塔”でもあるのです。
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