軟骨をすり減らさない方法

フーフーです。今回は「軟骨をすり減らさない方法を教えてください」という質問をいただきました。

中国医学で軟骨のすり減りを考えると、関係するのは脾(ひ)と腎(じん)です。
脾は「後天の本」、つまり食べたものを気血に変えて体の組織を養う働きをします。腎は「先天の本」であり、生命エネルギーの根幹を司り、骨や髄の生成にも関わります。
つまり、脾で作られた栄養を腎が受け取り、骨や軟骨を潤すという連携がとても大切なのです。
■ 脾の役割:昇清と統血
脾には二つの重要な働きがあります。
昇清作用:下半身に滞りがちな水分や老廃物を上に押し上げる働き。
統血作用:血や津液(体の潤い)をしっかり細胞内に留め、漏れ出さないようにする働き。
この脾の働きが弱まると、膝や足首にむくみが溜まり、軟骨の隙間にも余分な水分が入り込みます。すると、関節内の圧力が上がり、軟骨を圧迫してすり減りやすくなります。
■ 腎の役割:陽と陰のバランス
腎には「腎陽」と「腎陰」があり、陰陽のバランスが崩れると水の流れが滞ります。
腎陽が弱ると体を温める力が低下し、血流が悪くなって水が下に溜まる。
腎陰が弱ると潤いが不足し、関節のクッションが乾きやすくなる。
この二つの乱れが重なると、膝が冷えて痛んだり、動かすたびにギシギシと軋む感覚が出ます。
■ 養生のすすめ
食養生:山芋、黒ごま、黒豆、すっぽん、ゼラチン質の多い手羽先スープなどで、脾と腎を同時に補いましょう。
運動養生:膝を強く動かすよりも、太ももとふくらはぎを伸ばすストレッチで血流を促進。ゆっくりとしたスクワットもおすすめです。
ツボ療法:
・腎兪(じんゆ)…腎を補い、関節を温める。
・陰陵泉(いんりょうせん)…むくみをとり、関節内の水分を整える。
・足三里(あしさんり)…脾胃を補い、全身の気血を充実させる。
■ まとめ
軟骨の健康は、筋肉や骨だけでなく、気血津液の流れと五臓の働きに支えられています。
脾の昇清で下半身に滞らせず、腎の陽陰で温め・潤す。
この二つの力が整ってこそ、膝や関節は柔らかく、しなやかに保たれるのです。
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