検査で異常なし。でも体がつらい。中国医学は何を見るのか

検査で異常なし。でも体がつらい。中国医学は何を見るのか

フーフーです。健康診断では「異常ありません」と言われたのに、なんとなく身体がだるい。眠りが浅い。食欲が安定しない。気分が重い。そんな経験はありませんか。

病院では異常がないと言われると、「気のせいかな」と思ってしまう人も少なくありません。しかし中国医学では、このような状態こそ大切に考えます。
黄帝内経には「上工は未病を治す」という言葉があります。
一般には「病気になる前に治しましょう」という意味で知られていますが、私はもっと深い意味があると考えています。
未病とは、病気がまだ存在しないという意味ではありません。
気血の流れが乱れ始め、これから病という形になろうとしている状態を見つけることです。

身体は突然病気になるわけではありません。
最初は気の流れが少し変わります。
次に睡眠や食欲、気分、舌の色や苔などに小さな変化が現れます。
さらにその状態が続くことで、臓腑の働きが乱れ、やがて検査でも分かる病気へと進んでいきます。

つまり、中国医学が見ているのは「病気」ではなく、「病気へ向かう流れ」なのです。

ここで私は、未病を治す医師には三つの段階があります。
まず「工」の医師です。
身体の不調はあるのに、病院では異常が見つからない。
眠れない。疲れが取れない。胃の調子が悪い。肩が重い。
このような未病の段階で身体を整えられる医師です。
これは中国医学を学ぶ者として、身につけておきたい基本の力でしょう。

次は「賢」の医師です。
賢の医師は、目の前の症状だけを見ません。
五行や五臓の理論を使って、その先に起こる変化まで考えます。
例えば、木の気が強くなり、肝の働きが過剰になっている人がいたとします。
今はまだ高血圧にもなっていないかもしれません。
しかし木剋土の関係から考えれば、次は脾胃へ負担が及ぶ可能性があります。
そこで脾胃が弱ってから治療するのではなく、まだ元気なうちから脾を整え、病気の芽を摘んでいきます。
これは目の前の病気ではなく、理論から未来を読む医学です。

さらに上には「神」の医師がいます。
神の医師は、人だけを見ているのではありません。
天の動き、星の巡り、干支、季節の変化、自然界の五行の盛衰まで含めて身体を考えます。
今年は木の気が強い年だから、肝が乱れやすい。
これから水の力が弱くなるから、腎を補っておこう。
自然界そのものを診察し、人の身体へ起こる変化を先に読み取り、まだ何も起こっていない五臓を整えていくのです。
これは占いではありません。
人も自然界の一部であるという中国医学の考え方から生まれた、最も大きな視点の医学です。
この三つの医師は優劣ではなく、見ている世界の広さの違いです。
目の前の不調を治すことも大切です。
理論から未来を予測することも大切です。
そして自然界の流れの中で人を診ることも、中国医学が何千年も受け継いできた大切な知恵なのです。

まとめは、「上工治未病」とは、単に病気を早く見つけることではありません。気血のわずかな偏りを読み、五行の変化を考え、さらには自然界の流れまで含めて未来の乱れを整えていくことです。病気を治す医学から、病気をつくらない医学へ。それこそが、中国医学が目指してきた本来の養生なのです。

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