症状の場所と原因の場所は違う

症状の場所と原因の場所は違う

フーフーです。肩がこったら肩を揉む。頭が痛ければ頭を冷やす。咳が出れば肺が悪いと思う。普通はそう考えますよね。

中国医学では、痛いところ、つらいところが、必ずしも原因の場所とは限りません。
中国医学には「標」と「本」という考え方があります。
標とは、今、表面に現れている症状です。
肩こり、頭痛、咳、便秘、腰痛など、本人が困っている症状はまず標として考えます。
一方の本とは、その症状を生み出している奥の原因です。

例えば肩こりです。
肩がこっているのだから肩の血行が悪い。もちろんそれも間違いではありません。
しかし、なぜ肩の血行が悪くなったのでしょう。
食べ過ぎて胃に食べ物が停滞すると、消化のために気血が胃へ集まります。すると首肩へ向かう気血の流れが悪くなり、肩が重くなることがあります。
この場合、肩こりが標で、胃の食滞が本です。
いくら肩を揉んでも、毎晩たくさん食べていれば、また肩はこってきます。
肝の疏泄が悪くなり、気がうまく流れなくなって肩に停滞する場合もあります。
身体に湿が多く、肩周辺に津液が停滞して重くなる人もいます。
血虚によって筋肉を十分に養えず、肩の筋肉が疲労している人もいます。
瘀血があれば、同じ場所に頑固な痛みが続くこともあります。
同じ「肩こり」という標でも、本はまったく違うのです。

咳も同じです。
咳が出れば肺だけを考えたくなります。
しかし胃に食べ物が停滞し、気が下へ降りなくなって上へ逆流すれば、それが肺の粛降を邪魔して咳になることがあります。
身体の中に熱がこもり、肺が宣発によって外へ出そうとして咳をしていることもあります。
この場合、肺は病気の原因というより、身体の乱れを外へ知らせている場所なのです。
頭痛も頭だけの問題とは限りません。
足が冷えて気血が上半身へ偏っているのかもしれません。
胃に食べ物が停滞し、熱が上へ昇っているのかもしれません。
湿が気の流れを邪魔し、頭に湿熱が集まっているのかもしれません。
血が不足して頭を十分に養えず、痛みが出ている場合もあります。
だから中国医学の治療では、「どこが痛いですか」だけでは終わりません。
なぜそこに症状が出たのか。
その前に何を食べたのか。
身体は冷えていないか。
汗は出ているか。
眠れているか。
便や尿はどうなのか。
気血津液はどこに集まり、どこで不足し、どこで流れが止まっているのか。
身体全体を見ながら、本を探していきます。

もちろん標を治すことも大切です。
痛ければ痛みを楽にする。咳がつらければ咳を和らげる。
しかし標だけを追い続けていると、本が残っているため、同じ症状を繰り返すことがあります。これは川の下流にゴミが流れてきた時に、下流で毎日ゴミを拾い続けるようなものです。なぜゴミが流れてくるのかを上流まで見に行かなければ、いつまでたってもゴミはなくなりません。
養生も同じです。
肩がこったから肩を揉むだけではなく、「今日は食べ過ぎていなかったかな」。
頭が重いから頭だけを気にするのではなく、「足が冷えていないかな」「湿がたまっていないかな」。
自分の身体を少し広い範囲から眺めてみることです。

まとめは、症状が出ている場所は、身体が問題を知らせている場所であって、必ずしも原因がある場所ではありません。中国医学では、表に現れた標を見ながら、その奥にある本を探します。症状を消すだけではなく、なぜその症状を身体が出さなければならなかったのかを考える。それが、本当の意味で身体を整えていく中国医学の面白さなのです。

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