パーキンソン病を中国医学ではどう考えるのか

パーキンソン病を中国医学ではどう考えるのか

フーフーです。パーキンソン病というと、手が震える病気というイメージがあります。でも、どうして手が震れたり、身体が動かしにくくなったりするのでしょう。

まず現代医学では、パーキンソン病は脳内のドパミンを作る神経細胞が減少することで、動作が遅くなる、手足が震える、筋肉がこわばる、姿勢を保ちにくくなるなどの症状が現れる神経変性疾患として考えられています。中国医学でも、こうした現代医学の診断を否定するものではありません。

そのうえで、もう一つ考えます。
なぜ、この人の身体では「震える」「固まる」「動き出せない」という現象が起きているのでしょう。パーキンソン病を考える時、まず「動かす力」と「動かされる身体」の両方を見ます。
身体を動かすためには気が必要です。
しかし、気がたくさんあれば身体が動くわけではありません。
気血が筋肉や関節、手足の末端まできちんと届き、経絡が通り、身体の各部分が連携して初めて滑らかな動きになります。

例えば、ホースに水を流しているところを想像してください。
ホースが柔らかく、途中に詰まりがなければ、水は先端まで滑らかに流れます。
ところが途中が硬くなったり、狭くなったりすると、水はスムーズに流れません。
強く押せば流れる。
止めると止まる。
また押す。
この不安定な動きが繰り返されます。

パーキンソン病にみられる震えも、中国医学では、このような気血の流れの不安定さから考えることができます。
震えるということは、気がないというより、気を一定方向へ安定して流し続けられない状態です。

流そうとする。
しかし通りにくい。
もう一度力を加える。
また止まる。

この小さな動きが繰り返されれば、外からは震えとして見えることがあります。
一方、身体が固まる、動き始めるまで時間がかかるという症状では、経絡や筋肉の通りにくさを考えます。
特に年齢を重ねると、気血津液の量や性質も変化します。
血が十分に筋肉を養えなければ、筋は柔軟に動きにくくなります。津液が適切に巡らなければ、身体を潤滑に動かす働きも弱くなります。反対に湿が停滞し過ぎれば、身体は重くなります。そこへ冷えが加われば、さらに固まりやすくなります。

パーキンソン病を単純に「肝風」だけで説明するのではなく、気血津液がどこまで届いているのか、どこで停滞しているのか、筋肉や関節がどの程度柔らかさを保っているのかまで見ていくことが大切だと考えています。
そしてもう一つ重要なのが足です。
身体を動かす時、頭から命令を出すだけでは歩けません。
足が地面を感じ、身体を支え、その情報を受けながら次の動作へつなげています。

ところが足が冷え、むくみ、気血が不足してくると、この上下の連携が弱くなります。
頭には動かそうとする力があるのに、下半身がすぐについてこない。
一歩目が出にくい。
方向転換が難しい。
身体の重心を移すのに時間がかかる。
こうした症状を見る時にも、頭だけではなく全身の気血の配分を考える必要があります。

養生では、無理に大きく身体を動かすことよりも、その人が安全にできる範囲で、毎日少しずつ身体を動かすことが大切です。
手足を温める。関節をゆっくり動かす。筋肉を固めたままにしない。食事と睡眠を整えて気血を作る。そして湿や冷えを停滞させない。

まとめは、パーキンソン病を中国医学で考える時、震えだけを見て「風」と決めるのではありません。気血津液は十分なのか、それを末端まで運べているのか、湿や冷えによって経絡や筋肉が固まっていないか、頭と足の気血の配分がうまく連携しているのか。一つの症状ではなく、「身体が滑らかに動くための仕組み全体」を見ることが大切なのです。

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