シェーグレン症候群を中国医学ではどう考えるのか

シェーグレン症候群を中国医学ではどう考えるのか

フーフーです。口が乾く。目が乾く。水を飲んでも、目薬を使っても、また乾いてしまう。シェーグレン症候群では、なぜ身体の潤いが失われていくのでしょう。

シェーグレン症候群は、免疫の働きによって涙腺や唾液腺などに炎症が起こり、涙や唾液が少なくなる自己免疫疾患です。
中国医学で考える時も、まずこの病気そのものをきちんと理解することが大切です。

そのうえで、「乾いているから水分を補えばよい」とは考えません。

なぜなら身体の潤いは、単に身体の中に水があるだけでは作れないからです。中国医学には津液という考え方があります。飲んだ水や食べ物に含まれる水分は、脾胃で受け取られ、身体が利用できる津液となり、必要な場所へ運ばれます。
その津液が目へ届けば目を潤し、口へ届けば口腔を潤し、皮膚へ届けば皮膚を潤します。
つまり大切なのは、水分の「量」だけではなく、作ること、運ぶこと、必要な場所へ届けることなのです。

シェーグレン症候群では、この津液の流れのどこに問題があるのかを考えていきます。

一つは熱です。
炎症が続いている場所には熱が生まれます。
熱が強くなれば、その場所にある津液は消耗します。鍋を火にかけ続ければ、中の水が少しずつ減っていくのと似ています。特に目や口の周囲に熱が集中すれば、その部分の津液が失われ、乾燥が強くなります。しかし、ここで重要なのは、その熱がどこから来たのかです。

肝の疏泄が強くなり、気血と熱を上へ押し上げているのかもしれません。
脾胃に湿熱があり、その熱が上へ昇っているのかもしれません。
肺の宣発が弱く、本来外へ逃がすべき熱を身体の中に閉じ込めていることも考えられます。
また、腎陰虚によって身体を冷まし潤す力が不足し、内熱が生じている場合もあります。
同じ「乾燥」でも、原因は一つではありません。

もう一つ考えたいのが、津液を作る側の問題です。脾胃が弱れば、飲んだ水を身体が使える津液へ十分に変えることができません。水をたくさん飲んでいるのに口が乾く。
身体にはむくみがあるのに目は乾く。一見すると矛盾しているようですが、中国医学では十分に起こり得る状態です。

水はある。
しかし、必要な津液になっていない。
あるいは津液になっていても、必要な場所まで運べていないのです。

さらに血も重要です。
目や口腔などの組織は、津液だけではなく血によっても養われています。身体のどこかで炎症や修復が続けば、そこへ血が集まります。すると別の場所を養う血が相対的に不足し、乾燥がさらに目立つことがあります。

この状態を見ていくと、陰虚だけでは説明できない人もいることが分かります。
湿が多いのに乾いている。
身体はむくんでいるのに口は乾いている。
舌には苔があるのに目は乾燥する。

こういう人に、単純に潤すものばかりを加えると、かえって湿を増やして脾胃の働きを邪魔することがあります。
だから中国医学では、「乾燥しているから陰虚」とすぐに決めません。

津液は作れているのか。
きちんと運べているのか。
熱によって消耗していないか。
湿が流れを塞いでいないか。
血は組織を十分に養えているか。
そして肺の宣発、脾胃の運化、肝の疏泄、腎の潤下などがどのように関係しているのか。

身体全体から乾燥の理由を探していきます。
養生でも、水をたくさん飲めばよいとは限りません。

脾胃が処理できる量を少しずつ摂り、食事から津液を作れる身体を保つこと。身体に熱がこもっているなら、その熱がどこから生まれているのかを考えること。適度に身体を動かして気血津液を巡らせることも大切です。

シェーグレン症候群は全身に影響する自己免疫疾患です。強い目の痛みや視力の変化、著しい口腔乾燥などがある場合を含め、自己判断だけで対応せず、眼科、歯科、膠原病・リウマチを診る医療機関などで適切な管理を受けることが重要です。

まとめは、シェーグレン症候群の乾燥を中国医学で考える時、「水が足りない」という一言では終わりません。津液を作れないのか、運べないのか、熱によって失っているのか、湿によって流れが塞がれているのか、それとも血による組織の栄養まで不足しているのか。乾いている場所だけを見るのではなく、「なぜ、そこまで潤いを届けられなくなったのか」を身体全体から考える。それが中国医学でシェーグレン症候群を見る時の大切な視点なのです。

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