骨粗鬆症について

骨粗鬆症について

 

 

 

フーフーです。今回は「骨粗鬆症」について教えてください、という質問をいただきました。

年齢とともに骨がもろくなる、これは単なるカルシウム不足ではなく、五臓全体の働きの乱れから生じると中国医学では考えます。

■ 骨を支える「気血津液」と「髄」
骨は腎が主り、肝血に養われ、脾胃が作る気血によって滋養されます。
脊柱の中を通る髄液(骨髄液)は、脳から降りて全身の骨に栄養を与えています。
つまり、骨は単独で存在しているのではなく、五臓の連携によって常に新陳代謝しているのです。

■ 各臓からみた骨粗鬆症の原因
脾・胃の弱り
食べすぎ・冷たいものの摂りすぎで脾胃が弱ると、気血が十分に作られず骨に栄養が届きません。
このタイプは顔色が悪く、食後の倦怠感や浮腫を伴うことが多いです。

腎虚
腎は「骨を主る」臓。
腎気が弱ると水分代謝(利水作用)が低下し、骨髄液が薄まり、骨がスカスカになります。
夜間頻尿や腰のだるさがある人は要注意です。

肝の弱り
肝血は筋と骨を潤します。
肝が疲れると熱がこもり、血の循環が滞って骨が乾き、脆くなります。
ストレスが多く、目の疲れや筋肉のこわばりを感じる方に多い傾向です。

心の影響
心火が旺盛になると、熱が上半身に偏り、下半身や骨への血流が減ります。
また、心神の乱れはホルモンバランスにも影響し、更年期以降の骨密度低下につながることもあります。

肺の虚
肺は全身の気の循環を司り、宣発粛降によって津液を巡らせます。
この機能が低下すると、体内の熱がこもり、骨の潤いが失われ乾燥します。
皮膚が乾燥しやすい方は、骨の潤い不足のサインかもしれません。

■ 養生のすすめ
食養生:黒豆・黒ごま・山芋・くるみ・小魚・昆布など「黒色食材」で腎を補う。

運動養生:軽い筋トレや太極拳で腎経・肝経を動かす。ふくらはぎのストレッチで下焦の気血を流す。

ツボ養生:
・腎兪(じんゆ)…腎気を補い骨を強くする。
・太谿(たいけい)…腎経の要穴。腎精を補い腰や骨盤を温める。
・陽陵泉(ようりょうせん)…筋・骨をつなぐ経気を整える。

■ まとめ

骨粗鬆症は「骨だけの病」ではなく、五臓の気血津液が調わなくなった結果。
脾で作られた気血が肝を通じて骨を潤し、腎が髄を満たし、肺が循環させ、心がそのバランスを保つ。
五臓が連動してこそ、骨はしなやかで強く保たれるのです。

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